ワインには多くのポリフェノールが含まれていることは、多くの人がご存知だと思います。
この記事でご紹介するタンニンとは、ポリフェノールの一種でワインにとって非常に重要です。ワインの成分でタンニンと聞くと、難しいイメージを持つ方も多いと思います。ぜひ、この記事を読んでそのイメージを覆しましょう。
□一部の白ワインにも含まれている!タンニンとは?
冒頭でも少し触れましたがタンニンとは、ポリフェノールの一種でワインの中の様々な成分と結合して複合体を作ります。タンニンの種類は主に以下の2つです。
・ブドウ由来の縮合型
・樽由来の加水分解型
主にワインに影響を与えるのはブドウ由来型の縮合型です。タンニンは赤ワインの風味や色に関与するだけではありません。他にも様々な要因に関与する重要な成分です。
では、具体的なタンニンの働きを述べていきます。
2つの働きをご紹介します。
*ボディに寄与していること
ワインは以下の3つに分類されます。
・ライトボディ
・ミディアムボディ
・フルボディ
タンニンとポリフェノールの含有量は比例します。そして、タンニンが豊富であればワインの骨格がしっかりし、口内で充実感を味わえます。そのため、タンニンが豊富なワインはフルボディであることが多いです。ただ、アルコールの量やポリフェノールバランスにも左右されるので、一概にタンニンのみがボディに寄与するとは言えません。
*熟成に重要な役目を果たすこと
タンニンはワインの熟成に大きな影響を及ぼします。みなさんは、ポリフェノールが多く含まれているワインは長持ちすることをご存知でしょうか。ポリフェノールの含有量が多いワインは長持ちするということは、タンニンが豊富なワインは長期熟成に最適であるということです。ただ、タンニンが少ないからといって長期熟成に不向きなわけではありません。アルコール量や、ポリフェノール含有量のバランスによっても変わります。
□知っておくと便利!タンニンの豆知識をご紹介!
*タンニンはワインだけでなくお茶にも含まれている
茶葉に含まれているタンニンは、カテキンと呼ばれています。「カテキン」を耳にしたことがある方もいらっしゃるでしょう。カテキンには、がん予防や風邪予防などに効果を発揮する殺菌作用が含まれています。日本でお茶の生産地トップに君臨している静岡県は、長寿の県で健康寿命も毎年全国1位から上位に位置しています。
*タンニンが多いワインはすぐに飲むと美味しくない
タンニンは時間とともに結合され、渋みが弱まります。ワインは上記を意識して作られていますので、時間が経っていないときに飲むと不味いと感じてしまうでしょう。逆に、スーパーで買えるワインがすぐに飲んでも美味しい理由は、タンニンの含有量が少ないからです。高級なワインを味わうときは、熟成させるのを忘れないようにしましょう。美味しく飲むために覚えておきたいポイントです。
*ワインの保存期間にタンニンは大きく影響する
タンニンの重要な役割として、酸化を防ぐことが挙げられます。ワインを長持ちさせる上で、酸化を防ぐことが非常に重要です。タンニンの含有量が多いほど、長く保存できるというメリットがあります。上記でも示したように、タンニンが豊富なワインはすぐに飲んでも美味しくありません。時間の経過を待ってから、飲むようにしましょう。さらに美味しくワインを飲めると思います。
□タンニンとワインの関係性とは?
ここまで解説してきたように、ワインとタンニンの関係性は非常に深いです。
ここでは、タンニンがワインに及ぼす影響を2つご紹介します。
1つ目は、ワインに深みを出すことです。
タンニンの渋みは熟成させることで、穏やかになり丸みのある味わいをもたらします。先ほども述べましたが、タンニンは様々な物質と結合する特徴を持つので、熟成されるほど渋さは弱まり、まろやかな味わいに変化します。ワインに含まれるタンニンが多いほど、深みが感じられるワインになりフルボディワインが多いです。また、フルボディワインは「ずっしり」や「重たい」と表現されることが多いです。
2つ目は、樽に含まれているタンニンがワインをより美味しくすることです。
熟成する樽に使用されている木材にも、タンニンが多く含まれています。樽熟成中にもタンニンが溶け出すことでワインの醸造を助け、ワインの風味や味わいをより良いものにします。タンニンとワインは非常に深い関係があります。タンニンとワインの関係性を知ることで、よりワインを興味深く味わえるでしょう。
□まとめ
赤ワインだけでなく白ワインにも含まれるタンニンは、ポリフェノールの一種でワインの熟成や渋みに影響を及ぼします。タンニンが豊富に含まれているワインは、渋みが強いためすぐに飲むことは避けましょう。タンニンとワインの関係性が知りたい方は、ぜひこの記事を参考にしてみてください。