
スロバキアの小さな畑から世界へ
革命は一杯のグラスから始まった
かつて、まだ市場も人々の意識も「本当に良いワインとは何か」を模索していた時代がありました。そんな中、スロバキアのMrva & Stanko(ムルヴァ&スタンコ)は、一つの答えを提示します。
それは、ワインを“古い伝統”ではなく、“新しい風”として捉え直すという挑戦でした。
彼らが造ったのは、スロバキアというダイナミックな国の個性をそのまま映したようなワイン。ブドウの品種ごとの個性がくっきりと際立ち、味わいも香りも調和に満ちた一杯――
それは、まるで風のように軽やかで、若々しく、透明感と明るさにあふれていました。
グラスを傾ければ、これまでにないフルーティーなニュアンスが舌に広がります。それは、従来の「重厚で伝統的」なワインとはまるで異なる、新しい感覚。
市場はざわつき、人々はその変化をグラスの中で確かに感じました。
――これは単なるワインではなかった。
これは「変化」を象徴するワインだったのです。
一本の葉が語る、ワインのすべて

Mrva & Stanko(ムルヴァ&スタンコ)のワインが放つ個性は、一口飲めばすぐにわかります。
彼らのラインナップは、すべて厳選された高品質なプレディカートワイン(等級付きワイン)、品種ごとの特性を活かしたクオリティワイン、そしてブランドワインのみ。選ばれた15品種のブドウから生まれるその味わいは、まさに“こだわり”の結晶です。
Mrva & Stanko が創業当初から大切にしているもの――
それは「オリジナリティ」と「革新」。
この精神は、彼らのロゴにも込められています。
ロゴに描かれた一枚のブドウの葉。
それは、「本当に良いワインは畑で決まる」という信念の象徴。
そして、もうひとつ ――
ロゴの下には、創業者ヴラディミール・ムルヴァとペテル・スタンコの直筆サインが刻まれています。それは、ワインのクオリティに対する彼らの揺るぎない覚悟と誇りを意味しています。
一本のワインに、二人の情熱が込められている。
それが Mrva & Stanko のワインです。
新しい時代の幕開けを告げた、ふたりの挑戦

それは1997年――
スロバキアが新たな時代を迎え、国全体が変化を求めていたころ。
ひとつの夢が、ふたりの男の出会いから生まれました。
広告業界で成功を収めたペテル・スタンコ、そして世界のワインを知る醸造家ヴラディミール・ムルヴァ。異なる世界で活躍してきた彼らが手を取り、Mrva & Stanko(ムルヴァ&スタンコ)という新しいワイナリーを設立します。
時代が求めていたのは、重厚で古めかしいスタイルではなく、透明感と軽やかさ、果実味とエレガンスに満ちた新しいワインでした。
彼らが世に送り出したのは、まさにそんな一杯。
品種の個性を明確に表現し、香りと味わいのバランスは完璧。そして、ボトルのデザインにも一切の妥協はありませんでした。
1990年代末、人々が未来に期待を寄せていたそのとき、
このワインは登場し――
瞬く間に「変革の象徴」として市場を席巻しました。
最初の12,000本は、トルナヴァ近郊・ゼレンチの小さな家族経営のセラーで誕生しました。やがて人気は急上昇し、生産量も設備も追いつかなくなります。
新しい醸造所が完成するまでは、ヴォデラディやモイミーロフツェの協同組合のセラーを借りてワイン造りを続けました。
そして2004年――
ぶどうの名産地・マロカルパツキー山脈を望むトルナヴァの外れに、ついに念の近代的なワイナリーが完成。それは、ふたりの信念と情熱が形になった場所でした。
ワインの美しさは、畑から始まる

「ワインの品質は畑で決まる」――
この真実を、Mrva & Stanko(ムルヴァ&スタンコ)は何よりも大切にしています。
一杯のグラスに宿る美しさは、ブドウの剪定、房の間引き、日差しの量や風の通り道など、数えきれないほどの細やかな作業の積み重ねから生まれます。
それは、ワインメーカーだけでは成しえない仕事。ブドウ畑に寄り添い、自然と対話しながら働く栽培家(ヴィニュロン)たちとの共同作業です。
年々深まるその協力関係は、まるで畑とセラーがひとつの呼吸でつながっているかのよう。そしてその結晶が、グラスの中でやわらかく輝きます。
Mrva & Stanko のワインは、栽培家と醸造家の魂がひとつになった作品。それは、スロバキアという国が持つ、本当に美しいブドウ畑の魅力を、私たちに惜しみなく伝えてくれるのです。
参考サイト
ムルヴァ&スタンコ公式サイト
https://www.mrvastanko.sk/