みなさんはデキャンタという言葉を聞いたことはあるでしょうか。本記事ではワインをもっと楽しみたいとお考えの方に向けて、デキャンタとは何か、デキャンタにはどのような効果があるか、デキャンタはどのような観点で選べば良いのかについて解説します。
□デキャンタとは?
「デキャンタ」とは、ワインを入れるガラス容器のことです。日本ではデキャンタ以外にもデカンタと言われることもあります。また、「デキャンタージュ」という言葉を耳にしたこともあるでしょう。デキャンタはガラス容器であるのに対して、デキャンタージュはデキャンタにワインを移し替える作業のことを言います。特に、年季の入った赤ワインで行われることが多いですが、若いワインでも以下の2つの目的で行われることがあります。
・ワインの澱(おり)を除去する
・ワインの味をまろやかにする
□デキャンタの効果について解説!
上記でも簡単にデキャンタの目的について触れましたが、より具体的にデキャンタを使う効果をみてきましょう。
*味わいをまろやかにしてくれる
栓を抜いた後に渋みを感じたのであれば、デキャンタージュすると良いでしょう。空気に触れ、酸化するのが遅くなるので、味わいがまろやかになる可能性が高くなります。
このように言われる背景には、中国での研究例があります。赤ワインのデキャンタージュに関する研究によると、デキャンタージュした後の赤ワインに含まれる酸とポリフェノールは、時間をおくと少なくなっていくことがわかったのです。これによって、デキャンタージュによって赤ワインの味わいがまろやかになるということが実証されたというわけです。
*香りを良くできる
瓶の中に入れられたワインの中にはある程度の酸素が溶け込んでいます。時間が経つにつれて、少しずつ酸素の量が減っていき、香りの成分が化学変化を起こします。その結果、ワインの持つ果実の香りが減少するのです。
この化学反応により、人によっては不快に感じる還元臭が発生することがあります。このようなワインをデキャンタージュすることによって、不快な臭いを抑え、本来の香りを再現できます。
*ワインの中の浮遊物を除去する
赤ワインの中には、浮遊している澱(おり)というものが存在します。これの正体は、酒石酸やタンニンなどの結晶だと言われており、人体に害を与えることはありません。
しかし、澱がワイン内に存在していると、ざらついたような口当たりになります。そのため、美味しく飲みたいのであれば、除去した方が良いと言えます。数日ボトルを立てて瓶の底に沈殿させて、上澄みの液体だけを取り出すとうまく除去できるでしょう。
□デキャンタの選び方はどうすれば良い?
では、デキャンタはどのようにして選べば良いのでしょう。
ここではデキャンタを選ぶ際の観点をいくつかご紹介します。
1つ目は容量です。
デキャンタの容量には、ハーフボトルにぴったりな200ミリリットルから400ミリリットルのもの、フルボトルサイズの750ミリリットル、マグナムボトルサイズの1500ミリリットルなど、様々な容量があります。
最小のサイズは、一人でワインを楽しみたいときにオススメです。パーティーなどの大人数でワインを嗜む場合はフルボトルサイズやマグナムボトルサイズが向いているでしょう。
2つ目はデキャンタの口の広さです。
容器の口の広さは、ワインの味わいを変えると言われています。広口タイプと細口タイプの2つの種類があるので、ワインの熟成具合に適した形のデキャンタを選ぶと良いでしょう。
若いワインには広口タイプのものがオススメです。デキャンタージュする際にワインの大部分が空気に触れるため、ワインが豊かな香りに仕上がり、まろやかな味わいを実現できます。
3つ目は素材です。
多くのデキャンタに用いられている素材はガラスです。耐久性が高く価格もリーズナブルなソーダガラスや、ホットワインも同時に楽しめる耐熱ガラス、透明度が高いクリスタルガラスなど、ガラスの中にも多くの種類があります。また、ガラス以外にもステンレス製のものも存在しますので、是非チェックしてみてくださいね。
4つ目はお手入れしやすいかどうかです。
デキャンタを選ぶ際には、掃除しやすいかどうかも重要視したいという方は多いでしょう。お手入れのしやすさを考えるのであれば、口の広いデキャンタが良いでしょう。掃除する際に手が入りやすいため、メンテナンスに手間がかかりにくいのです。
また、食洗機に対応しているデキャンタであれば、洗い物の手間すら軽減できるのが嬉しいですね。デキャンタ専用のブラシもありますので、メンテナンス性を考えるのであれば是非検討してみてください。
□まとめ
デキャンタとは何か、デキャンタにはどのような効果があるか、デキャンタはどのような観点で選べば良いのかについて解説しました。デキャンタは容量や口の広さ、素材やメンテナンス性の4つの観点から選ぶと後悔することは少ないでしょう。