華やかで美しい色合いが特徴的なロゼワイン。その華やかさは、いつもの食卓に彩りを与え、食事時間をより楽しいものにしてくれます。今回は、そんな特別感を得られるロゼワインの製法や美味しい飲み方について紹介します。
□ロゼワインとは?
ロゼとは、フランス語でピンク色や薔薇色を意味し、ロゼワインとはピンク色や薔薇色をしたワインのことをいいます。美しい薔薇色が特徴的なロゼワインは、その華やかな色合いを示すために、無色透明のボトルに詰められていることが多いです。
一般的なワインボトルの色は、緑色や茶色ですが、そのような色が使われているのは、ワインを太陽光から守るためです。ワインはデリケートなお酒なので、日光が当たる場所に長期間保存されると、徐々に品質が落ちてしまいます。そのため、熟成向きのワインには遮光性が高い緑色や茶色のボトルがよく使われます。
しかし、ロゼワインは熟成をしないフルーティーな早飲みタイプが多いので、無色透明のボトルが使えるのです。
□ロゼワインの製法
実はロゼワインは、赤ワインの製法と白ワインの製法のどちらからも作れます。
以下で、詳しく見ていきましょう。
ロゼワインには、「セニエ法」「直接圧搾法」「混醸法」の3つの製法があります。
*セニエ法
セニエ法は、除梗・破砕した黒ぶどうから自然に出てきた果汁を発酵させて仕上げる方法で、ロゼワインで最も用いられる製法です。具体的には、破砕によって潰された果実を、皮や種と共に8時間から48時間かけてタンクの中で浸します。そうすると、黒ぶどうの皮から、赤い色素が徐々に染み出してきます。
この工程のことをマセラシオンといい、ロゼワインを色づける上で最も重要な作業となります。そして、マセラシオンによって軽く色がついた果汁をタンクから抜き取り、抜き取った果汁を発酵させます。
セニエとは、フランス語で「血抜き」を意味する言葉で、果皮に浸した状態から果汁を抜き取ることから、その名がつけられたといわれています。この方法は、赤ワインの醸造方法とよく似ていて、果皮と接触させて発酵するため、色合いが濃い仕上がりになっているのが特徴です。
*直接圧搾法
直接圧搾法とは、黒ぶどうをプレスして取り出した果汁を発酵させて仕上げる方法で、白ワインと同じ醸造方法です。この製法では、プレスによってしか色素が取り出されていないので、セニエ法よりも薄いピンク色のワインに仕上がります。また、ワインの渋みに関与する「タンニン」が少ないのが特徴です。
*混醸法
混醸法とは、黒ぶどうと白ぶどうを混ぜて取り出した果汁を発酵させて仕上げる方法で、セニエ法と同じ製造工程です。
既に完成している赤ワインと白ワインを混ぜ合わせてつくる方法が混醸法と思われている方もいますが、それは間違いです。赤ワインと白ワインを混ぜてロゼワインをつくる方法は存在しますが、その方法はEUの規定により、シャンパーニュ地方以外では原則禁止されている製法です。
□ロゼワインの美味しい飲み方
一般的に、肉料理に合うのが赤ワイン、魚料理に合うのが白ワインといわれています。ロゼワインは赤ワインと白ワインの中間ということもあり、どんな料理にも合うのが特徴です。ワインの本場フランス料理はもちろん、肉料理や魚料理、中華料理、和食、スイーツ、寿司まで、幅広い料理と相性抜群です。
赤ワインと白ワインのいいとこ取りをしたロゼワインは、赤ワインの渋みやコクと、白ワインのすっきりとした味わいを楽しめます。
*飲み頃の温度
赤ワインは常温で飲み、白ワインは冷やして飲むというように、ワインの種類によって適切な温度は違います。ロゼワインの場合、赤ワインのようなコクや渋みを楽しみたいのなら10度から15度くらいで飲むのがおすすめです。冬は常温で飲み、夏は飲む1時間前から冷蔵庫で冷やして飲むのが良いでしょう。
また、白ワインのようなすっきりとした味わいを楽しみたいのなら、飲む3時間前から冷蔵庫で冷やし、6度から10度くらいで飲むのがおすすめです。冷やして飲むことで、フルーツ感溢れる爽やかさを楽しめるでしょう。温度によって、自分好みの味にアレンジできるのもロゼワインの魅力の1つですね。
*ロゼワインの選び方
白ワインに近い、すっきりとした味わいを楽しみたい場合は、直接圧搾法で製造された、薄いピンクのような淡い色のロゼワインを選びましょう。赤ワインのようなコクや渋みを楽しみたい場合は、セニエ法で製造された、色が濃く鮮やかな色のロゼワインを選ぶのが良いでしょう。
□まとめ
ロゼワインは、その華やかな色合いからいつもの食卓を特別なものにしてくれます。どんな料理にも合うロゼワインは、シーンや料理を選ばない手軽さが魅力的です。また、温度の変化によって自分好みの味わいを楽しめるのも良いですよね。テーブルに華やかさを添えてくれるロゼワインを片手に、美味しい料理をいただきながら、楽しいひと時を過ごしてみてはいかがでしょうか。