ワインを飲んだときに、「苦味が強くて飲みにくい」と感じたことがある人は多いでしょう。そこで、おすすめなのがデキャンタージュです。デキャンタージュをすると、ワインが飲みやすくなるかもしれません。今回は、デキャンタージュとは何か、どのような効果があるのかをご紹介します。
□デキャンタージュの必要性
「デキャンタ」とは、ワインを入れるために使用するガラス容器です。このデキャンタにワインを移し入れる工程を「デキャンタージュ」といいます。デキャンタージュをすることで、ワインがさらにおいしくなります。ここでは、その役割について解説します。
1つ目は、味をまろやかにする役割です。
デキャンタージュは、特に抜栓後に渋みを感じたときにするのがおすすめです。空気に触れることで、ワインが酸化するので味をまろやかにできます。
2つ目は、香りを良くする役割です。
瓶の中に入っているワインは、ある程度の酸素が含まれていますが、長く保管されていると少しずつ減少します。酸素の量が減少すると、香りの成分そのものが化学変化を起こしてワインの香りを弱くしてしまうのです。中には、化学変化によって還元臭がする場合があります。そこで、ワインをデキャンタージュし、空気に触れさせるとその臭いが消えて本来の香りが蘇ります。
3つ目は、ワインの中の澱(おり)を除くことです。
澱とは、酒石酸やタンニンの結晶です。赤ワインの中には、液中に澱が浮いているものがあります。飲んでも体に害はありませんが、ざらつきのある口当たりになるため、おいしく味わうためには取り除くことをおすすめします。数日間ボトルを立てて澱を瓶底に沈殿させ、ワインの上部の液をデキャンタに入れると上手く取り除けます。
□デキャンタージュに適しているワインと適していないワイン
デキャンタの必要性を解説してきましたが、「ぜひ試してみよう」と思ってくださった方もいらっしゃるでしょう。しかし、デキャンタージュをするべきワインもあればそうでないワインもあります。
デキャンタージュに適しているワインは、ボルドーワインやポートワインなどです。熟成したワインは、熟成していくのにかけて澱が発生しやすくなります。先ほどもご紹介したように、澱をデキャンタージュで取り除くと雑味がなくワインを味わえます。
また、若いフルボディのワインもデキャンタージュをするとさらにおいしくなります。若いフルボディのワインはタンニンが強く、香りが開いていないことがあるので、それを飲む前にデキャンタージュするとより香りが広がります。
一方、白ワインはデキャンタージュに向いていません。なぜなら、白ワインはタンニンが少ないのでデキャンタージュしてしまうと逆に酸味が強くなったり、繊細な香りがなくなってしまったりする可能性が高いからです。スパークリングワインも炭酸が抜けるので、デキャンタージュするのはおすすめしません。さらに、赤ワインでも味が繊細なものは避けましょう。
□デキャンタージュの方法
ここからはデキャンタージュの方法について解説します。
準備するものは以下の通りです。
・抜栓したワイン
・綺麗で乾いている布
・デキャンタ
・ライト(澱のあるワインを使う場合)
まず、抜栓したワインの瓶の口を布で拭きます。そして、利き手にワインを持ち、もう片方の手にデキャンタを持ちます。澱があるワインは、ワインの瓶のネックにライトが下部からあたるように設置します。ライトの光とボトルネックの部分、自分の目が一直線につながるように設置するのがおすすめです。脇を締めながらワインを持ち、手が震えないように工夫しましょう。
次に、ワインを注ぎます。このとき、ボトルを静かに傾けて、それと同時にデキャンタも一緒に斜めに倒し、液体がデキャンタの首部分をゆっくりと伝って流れていくのをチェックし、一定のスピードでワインを入れていきます。澱のあるワインは、ボトルを傾けすぎると澱がばらばらになり舞うので注意しましょう。
ボトル内のワインが少なくなったら、ライトで照らしているネックの部分に注目し、澱がデキャンタに入ってしまわないように細心の注意を払いましょう。澱が入ってしまう手前のところで注ぐのをやめて、ゆっくりとボトルを立てて口を離しましょう。
以上でデキャンタージュは完了です。
澱のあるワインや若いワインなど、それぞれのワインの扱い方に違いはあるものの、手順は同じです。デキャンタージュをする前に、抜栓したワインを別のグラスに少し入れておき、デキャンタージュしたワインと飲み比べてみると違いが分かるでしょう。香りや味わいの違いを楽しめるでしょう。
□まとめ
今回は、デキャンタージュについて解説しました。デキャンタージュの方法もご紹介したので、ぜひご自宅で試してみてはいかかでしょうか。当社では、豊富な種類のワインをご用意しています。大人気商品も取り扱っておりますので、ワインをお探しの方はぜひご利用くださいませ。