スロヴァキアワイン専門インポーター、マイティワインの三好です。
ここではスロヴァキアワインに関わりながら(関わらない事も多数あるかも)
ワインに関しての事を緩ーく語る場に出来ればと思っています。
ワイン初心者の方にも出来るだけ分かり易くを心掛けるつもりですが、
毎回テーマは結構ディープな所に入って行こうと思っております笑
今回のテーマはシノニムです。
ワインを勉強された事が有る方は聞いた事が有ると思いますが
言葉本来の意味は同義語とか類義語とゆう意味だそうで、生物学やIT分野でも
ちょくちょくお目見えするそうです。
しかしワイン業界でシノニムと言えば葡萄の品種の呼び名に関して
色々呼び名が有って、そのそれぞれがシノニムに成ります。
日本人が感覚的に一番分かり易いのは同じ魚なのに地方で名前が違いますよね、
あれです。
(ここでは国が変わっていますが、国内で呼び名が変わる葡萄も多数
存在します。)
ドイツにシュペートブルグンダーという品種が有ります。
赤ワインを作る黒葡萄品種としてはドイツでは一番栽培されていて、白ワインを作る白葡萄品種を併せても全体で3番目に多く栽培されています。
白ワインのイメージが強いドイツで以外に思われる方も多いと思いますが、この品種はご存知の通りピノ・ノワールの事です。
特にワインを好きでもない方でも一度は聞いた事の有る、かのロマネ・コンティやブルゴーニュの幾多ある綺羅星の如き銘醸ワイン(勿論赤ですよ)のほぼすべてがこの品種です。
これぐらいは分かり易いのですが、こういった事が常にあるのがワイン界で、
こういった事がワインの分かりにくさの1つの側面でもあります。
スロヴァキアにはフランコフカ・モドラという黒葡萄品種が有ります。
先程と同様に同国で一番栽培されている黒葡萄で白葡萄と併せても全体で5番目の同国の代表的な赤ワイン品種ですが、私たちがお客様にご説明する際には、この品種はブラウフレンキッシュの事ですと
説明する事が多いです、お察しの通りこの呼び名が一番メジャーだからです。
この呼び名はオーストリアの名前ですが何故この呼び名が一番メジャーなのかとゆうと
それはもう流通量(生産量)の差です、勿論オーストリア原産とゆう事も有ろうかと思いますが、多数派が占めてゆく民主主義的な結論なのです。
(ちなみにオーストリア原産とされていますが昔のオーストリア帝国の時代にまで遡っての
事ですので、今の国境ですとスロヴェニアの一部周辺ではと考えられているようです。)
この品種は中欧では各国で栽培されていてレンベルガー(ドイツ)、ブラウフレンキッシュ
(オーストリア)、ケークフランコシュ(ハンガリー)、
フランコフカ・モドラ(スロヴァキア)、モドラ・フランキニャ(スロヴェニア)、フランコヴカ(クロアチア)、ブルグンド・マーレ(ルーマニア)
フランコフカ(チェコ)とこんなに呼び名が有ります
(まだあるかもしれません。)
・Lemberger
・Blaufrankisch
・Kekfrankos
・Frankovka Modra
・Modra Frankinja
・Frankovka
・Burgund Mare
こんなワインが一同に会して、全部同じ品種だなんて楽しそうでワクワクしませんか?
確かに統一した呼び名にすれば分かり易いですが、各国にその呼び名の伝統や歴史が
有って、それはもう文化です。
ですので遠い将来は分かりませんが、これは多様性として無くならないと思いますし
無くしてはいけないと思います。
多様性を尊重できる世界って素敵ですよね。
分かりづらさはあるけれど、分かったらワクワクが止まらない。
これってワインあるあるだなぁとしみじみ感じてしまうのでした。
【今回のご紹介でお勧めのワイン】
★スロバキア・日本国交樹立100周年記念★【スロバキアワイン専門】Ex フランコフカ・モドラ 《EX Frankovka Modra》 [Villa Vino Raca]【プレゼント包装可能/熨斗等の対応可能】
¥2,090(本体 ¥1,900) ~
★スロバキア・日本国交樹立100周年記念★ヤグネット フランコフカ・モドラ 《JAGNET Frankovka Modra》 [Karpatska Perla] 果実味溢れるミディアムボディ【プレゼント包装可能/熨斗等の対応可能】
¥2,090(本体 ¥1,900)
【自己紹介】
三好貴志:20歳の時にバーでウェイターのアルバイト。メニューの片隅のシャブリとサンセールに??となってワインに目覚める。ホテルソムリエ、ヌーベルシノワ、イタリアン、ゲストハウスの料飲支配人等経てマイティワインに入社。1971年生まれ。