ワインボトルからコルクを抜く際にワインコルクが割れてしまうケースが少なくありません。そこで今回は、コルクが割れてしまったときの対処法や抜栓前に注意が必要なワイン、ソムリエナイフの正しい使い方について解説します。
□コルクが割れてしまったときの開け方
ワインボトルからコルクを抜く際は、ワインコルクがもろくなり途中で割れてしまうケースがあります。そのような場合は、以下のような対処方法で解決できる可能性があります。
*スクリューを斜めに差し込む
真上からスクリューを差し込まず、あえてスクリューを斜めに差し込むと、瓶口を引き上げてみます。コルクの部分が経年劣化により、やわらかくなった古いワインなど、コルクが約半分ほど残っている場合に有効な方法です。
*コルクを瓶内に押し込む
ワインボトルからコルクを抜く際、途中でコルクが割れてしまうケースもあります。コルクの身動きが取れなくなったら、マドラーや割り箸などを用いてそのままコルクを瓶内に押し込んでみるとよいでしょう。コルクがワインに入ると、味に影響するのか心配になる方もいると思いますが、途中でコルクが割れてしまったのであれば、仕方ありません。コルクを落としたあとは、茶こしやコーヒーフィルターを利用してろ過します。
*2枚刃式コルク抜きを使用する
コルク抜き(ワインオープナー)には、スクリュー式(T字型)、スクリュープル、ウィングタイプ(テコ式・バタフライ型)など、さまざまな種類があります。スクリュー式(T字型)とは、T字型でスクリューをコルクの中央に差し込む、もっとも一般的なタイプです。
スクリュープルは、オープナーをボトルにセットし、上部のハンドルを回して差し込むタイプです。比較的、初心者でも簡単に使えます。ウィングタイプ(テコ式・バタフライ型)は、コルクにねじ込むことによって左右の羽が上がってくるタイプです。スクリュー部分は比較的大きめとなっています。そのため、劣化したコルクに使用した場合は、途中で割れる可能性もあります。
中でも2枚刃式コルク抜きというタイプもあり、はさみ型、プロングタイプとも呼ばれています。2枚刃式コルク抜きは、コルク抜きと異なり、スクリューがありません。2枚刃を瓶口に差し込んでコルクをはさみ、引き抜くのです。
ヴィンテージワインなどの劣化したコルクには最適な方法になります。
*他の入れ物に移し替える
コルクは無事抜けたけど、途中でコルクのカスがワインに入ってしまった場合は、他の入れ物に移し替えるのも一つの方法です。移し替える際には、前述のとおり、茶こしやコーヒーフィルターを用いてろ過するとよいでしょう。
このようにコルクを抜くときに失敗しても、対処法さえ知っていれば、落ち着いて対応できます。
□抜栓前に注意が必要なワイン
コルクの割れを未然に防ぐことも大切です。
注意が必要なワインは、以下のようなものです。
*熟成したワイン
熟成したワインの中には、長く保存されている間にコルクの劣化が激しい場合もめずらしくありません。ワインのコルクを抜く際は、2枚刃式コルク抜きを利用することをおすすめします。なお、長期熟成ワインは天然コルクが使用されていることがほとんどです。コルクの硬さにより、瓶口が割れる心配はないでしょう。
*若いワイン
若いワインのコルクも劣化が進むと折れてしまう恐れがあります。コルクがワインに浸っていなく、瓶口との摩擦が大きくなるためです。ワインを横に寝かし、コルクを湿らせるとよいでしょう。
□ソムリエナイフの正しい使い方
ヴィンテージの中でも若いワインであれば、一般的な抜栓方法でも問題ありません。しかし、オールドヴィンテージのワインでは、コルクの劣化が進んでいる可能性があり工夫が必要です。
1.キャップシールのボトルネックに切り込みを入れる
ナイフでキャップシールのボトルネックの出っ張り部分全体に下から上に向かって切れ込みを入れます。オールドヴィンテージのワインは、キャップはすべてはずし、ネックの部分は拭き取ることが大切です。
2.スクリューを対角線に回しながら入れていく
スクリューは、コルクの端に差し込み、対角線に回しながら入れていくのがポイントです。
これにより、コルクをしっかりとつかむことができます。
3.根元付近までねじ込める
スクリューを回転させながら、直線上に根元近くまで回し続けます。
4.ボトルの瓶口にフックをひっかける
ボトルの瓶口にフックをひっかけ、手で押さえながら、持ち手の部分を引き上げます。
5.コルク徐々に引き抜く
コルクを約5mm程度まで引き上げ、コルクをつまみ、
ゆっくりと引き抜きます。
□まとめ
コルクが割れてしまったときの対処法は、スクリューを斜めに差し込む、コルクを瓶内に押し込む、2枚刃式コルク抜きを使用するなどの方法があります。抜栓前に注意が必要なワインは、熟成したワインや若いワインです。オールドヴィンテージのワインでは、ソムリエナイフを利用するのもよいでしょう。